奥州札所はいつ頃から設けられたのかは定かではありませんが、保安四年(1123年)にはすでに慈覚大師開基の三十三観音霊場(奥州古札所)が設定されていました。
その後、名取の老女「旭」という神子が、西国に倣い新たに三十三観音霊場を定めてからは、新しい札所が大いに栄えました。その後、時代の流れにより幾多の盛衰を経て、宝歴十一年(1761年)に三十番札所補陀寺の智膏和尚ら七人の僧達によって現在の札所が復興されました。
現在の札所は福島に3ケ所、宮城が18カ所、岩手に12ケ所と3県にわたり三十三番八葉山天台寺を札納めとして終わっています。秀麓齋の寺号「齋」は全国的にも珍しく、日本三斎の一つといわれています。「齋」は書院の意味ですが、寺と同義であり、伊達家が書斎のように使っていたために名付けられました。
開創も延暦のころ坂上田村麻呂が奥州の蝦夷平定に赴く際に戦勝祈願をされたことに始まります。
本堂内須弥檀前の欄間一杯の小さな地蔵菩薩は、所謂千躰佛で、後の藩主伊達政宗がこの寺と伊達家の祖尚宗との御縁に因んで奉納したもので、東北では極めて珍しい。
ご詠歌(ごえいか)とは、仏教の教えを五・七・五・七・七の和歌と成し、唱えるものをいいます。
第1番 | 紹 楽 寺 | 十一面観音 (三熊野高舘観音) |
宮城県名取市高舘 |
第2番 | 秀 麓 齋 | 聖観音 (本宮社) |
宮城県名取市高舘 |
第3番 | 金 剛 寺 | 十一面観音(新宮) | 宮城県名取市高舘 |
第4番 | 斗 蔵 寺 | 千手観音 | 宮城県角田市小田斗蔵 |
第5番 | 名取千手観音堂 | 千手観音 | 宮城県名取市増田 |
第6番 | 瑞 厳 寺 | 聖観音 (蜂屋観音) |
宮城県宮城郡松島町 |
第7番 | 大 仰 寺 | 千手観音 | 宮城県宮城郡松島町富山 |
第8番 | 梅 渓 寺 | 聖観音 | 宮城県石巻市湊牧山 |
第9番 | 箟 峰 寺 | 十一面観音 | 宮城県遠田郡湧谷町 |
第10番 | 興 福 寺 | 十一面観音 | 宮城県登米郡南方町 |
第11番 | 天 王 寺 | 聖観音 | 福島県福島市飯坂町 |
第12番 | 観 音 寺 | 聖観音 | 福島県伊達郡桑折町 |
第13番 | 大 聖 寺 | 聖観音 | 福島県伊達郡桑折町 |
第14番 | 大 慈 寺 | 聖観音 | 宮城県登米郡東和町 |
第15番 | 華 足 寺 | 馬頭観音 | 宮城県登米郡東和町 |
第16番 | 清 水 寺 | 聖観音 | 宮城県栗原郡栗駒町 |
第17番 | 大 祥 寺 | 十一面観音 | 岩手県一関市花泉町 |
第18番 | 道 慶 寺 | 如意輪観音 | 岩手県一関市花泉町 |
第19番 | 宝 持 院 | 新山観音堂 | 岩手県一関市花泉町 |
第20番 | 徳 寿 院 | 千手観音 | 岩手県一関市花泉町 |
第21番 | 観 音 寺 | 馬頭観音 | 宮城県栗原郡金成町 |
第22番 | 勝 大 寺 | 十一面観音 | 宮城県栗原郡金成町 |
第23番 | 長 承 寺 | 千手観音 | 宮城県栗原郡中田町 |
第24番 | 長 谷 寺 | 十一面観音 | 宮城県栗原郡中田町 |
第25番 | 黒 石 寺 | 千手観音 | 岩手県奥州市水沢区黒石町 |
第26番 | 長 泉 寺 | 千手観音 | 岩手県一関市大東町 |
第27番 | 観 福 寺 | 聖観音 | 岩手県一関市 |
第28番 | 大 善 院 | 千手観音 | 岩手県大船渡市 |
第29番 | 普 門 寺 | 聖観音 | 岩手県陸前高田市 |
第30番 | 補 陀 寺 | 如意輪観音 | 宮城県気仙沼市 |
第31番 | 聖 福 寺 | 七面観音 | 岩手県八幡平市西根 |
第32番 | 正 覚 院 | 十一面観音 | 岩手県岩手郡岩手町 |
第33番 | 天 台 寺 | 聖観音 | 岩手県二戸郡浄法寺町 |